病気の猫のためにできること

不妊手術をした猫へのキャットフードの与え方

猫の避妊・去勢手術は、猫の生活や成長に、どのような影響があるのでしょうか。 猫は、個体にもよりますが、だいたい7~10ヶ月で成熟期を迎えます。発情は年に2~3回。メス猫は交尾後に排卵をするので、妊娠の確率はとても高いです。

不妊手術のメリット

妊をすることのメリットとしては、育てられない子猫の出産を防ぐことができます。また、発情期の大きな声で鳴くなどの問題行動がなくなります。

不妊手術は、子宮と卵巣を摘出するため、メス猫特有の子宮内膜炎や卵胞嚢腫などの病気になることがありません。去勢手術は睾丸を摘出します。これによって繁殖のためのオス猫特有の攻撃性が抑えられ、精巣腫瘍や前立腺疾患などの病気を防ぐことができます。

不妊手術後の猫の変化

しかしながら、人工的に手術をするわけですから、気になる影響もでてきます。生殖器によって分泌される性ホルモン(男性ホルモンや女性ホルモン)は、成長ホルモンを抑制する働きがあります。卵巣や子宮、睾丸の摘出でその抑制がなくなるので、標準よりも少し体格が大きな猫になりやすいといわれています。

また、性ホルモンによる発情期の行動が無くなり、生殖器はホルモンバランスの維持にエネルギーをつかうことがなくなるので肥満になりやすい傾向にあります。

不妊手術をしたあとの猫の食事について、どのようなことに気をつければよいでしょうか。

キャットフードの与え方

不妊手術後は、すぐにキャットフードを変えない

手術後すぐは、そのストレスや傷の痛みから、一時的に食欲不振になることがあります。不妊手術をする頃は、まだ子猫用キャットフードを与えている場合が多いです。

子猫用はカロリーが高く、食欲をそそるようなにおいが付けられているものもあります。気に入っていたキャットフードが変わってしまっては、益々食欲がなくなってしまいます。手術後は、猫の体調をよく確認しながら食事を与えましょう。

様子を見てキャットフードを切り替える

元気に食事をするようなら、成猫用キャットフードに変えましょう

不妊手術をしていない猫に比べると、エネルギーの消費が少ないので、カロリーの高い子猫用を与えていたのでは肥満になってしまいます。そのため、パッケージに記載されている量の10~20%減らして与えます。

不妊手術後、猫の食欲を気にしながら成猫用キャットフードに変えましょう。

満足感を与えるならダイエット用フード

量が減って満足できない猫には、ダイエット用フード(体重・カロリー管理フード)を与えましょう。低カロリーのダイエットフードなら、成猫用キャットフードよりも少し量を多くして与えても大丈夫です。

猫にとって食事は楽しみのひとつです。カロリーは控えめでも「量」に満足することで、生活の上での充実感は得られます。体重に見合った食事の量がパッケージに記載されていますので、参考にしましょう。

ダイエット用フード(体重・カロリー管理フード)も好まない場合

成猫用のキャットフードに比べて、ダイエット用フードは脂肪などが少なく、においも抑えた物が多いため、猫によっては嗜好に合わず食欲がなくなることもあります。その際には、量を減らした成猫用キャットフードを、食事の回数を増やして与えます。一日に4~5回に分けて与えると、すぐに食事の時間がくるので1回の量が少なくても満足感が得られます。

不妊手術後は肥満に気を付ける

猫はライオンなどと同じ仲間で肉食です。瞬発力はありますが持久力には優れていない体質です。肥満になったからといって、急激な運動や長時間の運動には向きません。

ですから不妊手術後は、肥満になる前に日々のキャットフードの与え方でカロリーコントロールをすることが大切です。