スープ・シチュータイプのキャットフード

キャットフードには、大きく分けてドライフードとウエットフードがあります。ドライフードは、成分や栄養素に違いはあっても、加工過程には大差がありません。どれも硬くしっかりと噛んで食べるタイプで、猫の食事においての大部分を占めています。

それとは違って、ウエットフードは缶詰やレトルトなど様々なパッケージがあり、製造工程や素材にも個性があります。その中で、スープ・シチュータイプは、自然食に近い「白身魚」「かにかま」「ささみ」などを味のついた液体と一緒にレトルトパウチされたもので、嗜好性が高いキャットフードです。

人がスープやシチューを飲むときを考えてみましょう。もちろん美味しい料理として飲んだり食べたりしますが、こんなときにも活用しませんか？「バランスよく栄養を取りたいとき」「食欲がないとき」「寒い時」「胃や腸の調子が悪い時」「簡単に食事を済ませたいとき」など。
猫にとってはどうでしょうか。

ウエットタイプの中でも、一番多く水分を含んでいます。猫は他の動物に比べてあまり水を飲まない体質ですが、生きていく上では大切です。特に総合栄養食のドライフードを主な食事にしている場合には、水分は欠かせません。ドライフードにスープ・シチュータイプをかけて与えることで、無理なく水分を摂取できます。

また、噛まずに舐めるだけでも食事をとることができるので、歯が抜けて無い猫や消化吸収能力が落ちた老猫でも、食べることができます。とろみがあるものは、病気やケガで起き上がれない猫にも、スプーンなどを使って与えやすくて重宝します。

猫と一緒に出掛ける際には、小量のパッケージに小分けされているので、軽くてかさばらずに持ち歩けて便利なタイプです。

噛まずに食べることができるので、スープ・シチュータイプだけを与えていると、噛む力が弱くなります。また、パッケージ内に一緒に入っている具材までも、液体と一緒に飲んでしまい、むせる、嘔吐するといった猫もいます。

そのため、ドライフードと合わせて与えることをお勧めします。水分を含んだドライフードは少し柔らかくなって食べやすくなります。また、市販されているスープ・シチュータイプは一般食が多いので、総合栄養食と記載のあるドライフードと一緒に与えると健康的で栄養バランスの良い食事になります。

開封後は、冷蔵庫で保存しても、空気に触れたことで劣化が進みます。当日中に与えるようにしましょう。

猫の寿命は年々長くなっています。それぞれのキャットフードの特性を知ることで、その時々の体調や状態にあったものを選んで対応しましょうね。